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竹内薫さんの「夜の物理学」です。
日の当たらない物理学の理論を紹介したサイエンスライター竹内薫さんの科学エッセイである。

著者によれば、ナイトサイエンスには3つの意味があり、

①「論理的な思考なんかじゃなくて、直感(思いつき?)や霊感めいたものに閃きを得て、そこから出発していくようなこと」
②名の通り「夜の科学」で、天体望遠鏡で覗く夜空の秘密を扱う
③空想、虚構、小説‥‥‥夢とロマンあふれる妖しい顔のこと

だそうである。

扱われているのは、例えば、
 「アインシュタインの宇宙定数」
 「エヴァレットの多世界と赤ちゃん宇宙」
 「エリスの宇宙動物園説」
 「ホーキングの虚数宇宙」
 「ビレンキンの量子宇宙論」
 「ホイルの定常宇宙説」
 「超ひも理論」

などなどで、現段階で、定説、準定説と言われるものから異端説と言われるもの、捨てられてほとんど相手にされていないものまでいろいろな理論とそれを唱えた物理学者を、独特の砕けたやさしい言葉で解説している。

定説も異端説も紹介されているが、物理学の世界では、異端説が将来、一発逆転で定説になることもままあることなのだそうだ。

あくまでもエッセイだし、出てくる理論はまあ、「これ、もしかして本人しかわかってないだろ」「人をおちょくっているのか」と思えるような、なんでもありの物理学の世界の話なので、「難しいので一応一所懸命説明してみますけど、わかんなくても気にしないでね」「こんな感じだとに思っておいてね」てな風に語っていて、わかりやすいし、読み物としてもたいへんに面白い。

最後の方は、物理学者の恋愛事情とか、とっても性格の悪いロシアの天才ランダウさんの話とか、波瀾万丈の人生を送ったボームさんとか、ノーベル賞を受賞してから超常現象とか心とか生物とかに物理学をあわてはようとぶっ飛んだ研究ばかり始めてしまったジョセフソンさんとか、いろいろな物理学者たちの人間像を紹介していて、これもまた興味深い。

著者は、物理学が近年「コト化」していると言う。
昔のように理論があって実験で確かめるという「モノ」の世界を通り過ぎて、ホーキングの宇宙の始まりが虚数時間だという「虚時間宇宙」や素粒子は目に見えないヒモの振動状態だとする「超ひも理論」のように「本当」なのか「作り話」なのか、見当もつかない純粋理論の世界へと片足を突っ込みつつあると言うのだ。

不確定でどこにあるのかわからない「量子」が登場して以来、「モノ」というよりは「コト」の世界に向かっているのだ。

物理学の理論が、正しいかどうか誰にもわからない。誰にもわからないところがミソなのだそうだ。でも、それでいいのか?

そして、少なからず天才的な業績を残した物理学者たちが、現代宇宙論から、超自然的な世界へ足を踏み入れていく。われわれが「神」と呼んできた世界へと、宇宙の起源とか、生命の神秘とか、何か偉大な存在とか、そんなものへと、それこそナイトサイエンスへと向かっていく。

そんな物理学を日々研究している人たちを想像するに、なんか幸せな人たちだなあと思うのは私だけだろうか。

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2012.07.16 | 竹内薫 | トラックバック:(0) | コメント:(1) |

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2012.12.28 12:51 | # [ 編集 ]












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