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飯田哲也さんの「エネルギー進化論」―「第4の革命」が日本を変える― です。

地域の先進的な自然エネルギー推進の取り組みをサポートしてきた飯田哲也さんによるエネルギー政策を地域から再考するための指南書だ。

結論的なところから言えば、従来の中央集権構造を解体し、地域の中で、地域の住民自身がエネルギーをつくっていくような流れを生み出す(中央管理型から地域分散型への)パラダイムシフトという文明的な挑戦を試みるエネルギーシフト構想をめざそうと提案している。

それは、情報がインターネットという分散型の仕組みとして始まったように、あるいは、マネーの世界でもリーマンショックを契機として、投機的なお金の使い方から、目に見える形で地域内で循環させる方向性へと志向されているように、エネルギーも大転換の地点にあり、それは地域から変革の波が起こるということだ。

本書では、まず、自然エネルギー懐疑論への反論からスタートする。
化石燃料などのコストが変動し、高騰するなかで、「自然エネルギーは、唯一、コストの下がるエネルギーである」こと、「コストを長期固定できる」こと「「自然エネルギーは変動するベース電源である」こと、「持続可能なエネルギーである」こと、などを解説している。

そして、自然エネルギーの爆発的な躍進は、農業革命、産業革命、情報革命に次ぐ「第4の革命」と呼ぶことができるとし、世界における自然エネルギーの歴史を振り返りながら、その牽引役を果たした、アメリカのカリフォルニア州の電力買取制度を活用した風力発電の爆発的な普及やソーラーパイオニアというプログラム、デンマークの風力発電を送電線につなぐ系統連係の実現、風力発電協同組合の発足、三者合意による固定価格買取制度の実現、それに続く1990年代のヨーロッパにおける環境エネルギー革命(ドイツ固定価格買取制度(FIT)、北欧諸国のバイオマス導入政策)などについて解説されている。

一方、日本ではなぜ自然エネルギー活用が進まなかったのか?
著者は、2000年前後からはじまる日本の自然エネルギー暗黒時代を「失われた10年」と呼んでいる。
世界の自然エネルギー政策の動きに対し、全くの無視を続けた通産省をはじめとする官僚機構、失われた10年を作った「新エネルギー特別“阻止”法(措置法)」、日本の電力10社による地域独占体制(地域独占、垂直統合)、巨大企業である電力会社が地域経済団体を通じて地域政治に及ばす大きな影響などが、日本の自然エネルギーの普及を徹底的に遅らせたとする。

こうした中で、地域からはじまったエネルギー革命の動きを紹介している。
海外での先駆者であるカリフォルニア州やデンマークでの自然エネルギーの始点が、中央から離れた「ローカル」にあったこと。
様々な合意・決定手続きのシンプルさと「ゆるさ」により、こうした革命、変化は、周縁、すなわち地域から始まるのだ。

海外では、スウェーデンの人口7万人の都市ベクショーというコミューンがバイオマスエネルギーによる地域暖房を拡大する中心的役割を果たした。ドイツの人口25万の地方都市アーヘンでは、太陽光発電で作った電力を電気料金の13~15倍の値段で購入する制度をつくり、絶大なる効果を発揮する。また、スペインのバルセロナでは、新築・増改築の建物への太陽熱温水器の設置義務」という条例を実施し、国の法律にまで発展し、類似した法律は、ヨーロッパ各国に広がる。

日本では「失われた10年」の中で、東京都が常に国に先んじ、圧倒的な機動力で日本の再生可能エネルギー戦略を牽引してきた。
その他、著者が関わってきた「北海道グリーンファンド」「飯田市の市民出資の発電所」「祝島“自然エネルギー100%”プロジェクト」などが紹介されている。これらは、市民出資や寄付による仕組みを作りあげて事業を成立させていること、地域から新しい制度を提案しているところにポイントがある。

最後に、これからの日本のエネルギーシフトのシナリオを提案している。2020年には、原発を「0」にし、自然エネルギーを30%、省エネ節電20%、化石燃料で50%にする。2050年には、化石燃料も「0」にし、省エネ節電をさらに進め、電力は自然エネルギーですべてまかなうというものだ。
ポイントは、エネルギー効率を改善することにある。熱を逃がさない工夫などにより、我慢するのではない、社会全体で「電力を減らす豊かさ」を実現していくことだ。

そして、地域は、自然エネルギーを一つの生産物として、産業として育てていく。
外国から買った化石燃料でなく、地域の中でお金を回していきながら地域がそれぞれ電力をつくり、地域間で融通し合うネットワークをつくり、開かれた地域自立の自然エネルギーのかたちを創ることが重要だとしている。

こうした、地域主導、分散型の方法へと、エネルギー政策を変えていくことが、環境の視点からも、地域経済の視点からも、安心できる暮らしの視点からも重要なのだと思う。
地域から動くことこそ大切だ。
市民一人ひとりが参画すること。そして地域の企業や金融機関、自治体などがパートナーとなり、地域のソーシャルキャピタルを強めながら、取り組むべき重要課題だ。
私たちも、その中でしっかりとした役割を見つけて動いていきたいと思う。

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2012.04.21 | 地域づくり | トラックバック:(0) | コメント:(0) |












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