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森絵都さんの「気分上々」です。


多彩な九つの短編集。
ウェルカムの小部屋/彼女の彼の特別な日・彼の彼女の特別な日/17レボリューション/本物の恋/東の果つるところ/本が失われた日、の翌日/ブレノワール/ヨハネスブルグのマフィア/気分上々


時期も掲載紙も長さもかなりバラバラな九編の短編集である。

一冊の本になることを意識されずに書かれた作品ばかりだし、順番も単純に時系列で並んでいて、それぞれのつながりなどは特にはない。それぞれが自由奔放な感じに個性を発していて、これはこれで面白い。

あとがきに、それぞれの作品のちょっとした背景が書かれているが、これを読むと作品への理解が深まるというか、なるほど感が生まれる。森さんに与えられたお題やら条件やらが、なにかと作品に影響を与えていて、お話の性格を左右しているのがなんとなくわかる気がして興味深い。

まず「ウエルカムの小部屋」は、機械仕掛けのペットアイボの写真集『AIBO DREAM』に寄せて、2000年に発表されたものであり、アイボから自動開閉式の便座カバーを思い浮かべて書いたものだそうだ。

一番私が気に入ったは、「17レボリューション」である。
十七歳の誕生日に、より良く生きるために自分改革を掲げて、渋くて愛すべき親友と絶交し、イキのいい相手とだけつきあって自分を変えようと決心する女子高生のお話だ。主人公と親友と元彼のキャラがとてもほほえましくて、彼らの会話も行動もいちいち私のツボにはまってくれて楽しい。文体も弾けるようで最もリズムがあり、ほっこりしつつなんか嬉しくなってくるお話だ。

表題作「気分上々」もいい。
担当者から「中二以上の男子を主人公にするなら、エロは必須」と指摘されて書いたそうで、いろいろな思いが頭の中に詰まっていてそれをうまく制御しきれない男子中学生のドタバタ感がよく出ている。

12年間に渡る作品なので、悪く言えばかなりムラがあり、好みも分かれるのだけれど、このランダムさが森作品を知る上でなかなかに貴重な一冊かもしれない。

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2012.03.26 | 森絵都 | トラックバック:(1) | コメント:(0) |

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